1.「うちの子の写真を送るだけで、世界にひとつの雑貨が届いたら嬉しくないですか?」
私は、動物モチーフの雑貨を3Dプリンターで制作し、Creemaで販売しています。
今回は、実際にいただいたペットの写真からオーダーメイド時計を制作した事例をご紹介します。
ペットに関する贈り物がしたい。大好きな愛犬をモチーフにした雑貨が欲しい。3Dプリンタに興味があるけどどういう風に活用すればいいかわからない。そういう方に向けてなるべくわかりやすくまとめています。
2.きっかけとエピソード
「昔飼っていたシュナウザーの時計をつくったらお義母さん喜ぶかもね」 そんな旦那の一言をきっかけに、初めて“一品一葉”のオーダーメイド時計づくりに挑戦しました。
最初につくった時計はネットでシュナウザーの写真を探し、2Dで作図しながら少しずつ形にしていく方法で作成しました。完成した時計を母にプレゼントしたとき、とても喜んでくれましたが、私の中ではもっと実際の子に近づけたいと思うきっかけにもなりました。
その後、母のご友人で、私自身もお世話になっている方が飼っているコーギーの時計も作ってみたくなりました。今度は実際の写真をもとに、その子らしさをできる限り再現することに挑戦。耳の角度、表情の柔らかさ、毛並みのニュアンスまで、細部にこだわって試行錯誤を重ねました。
そして、ある方法を使うことで、写真にかなり近く、『うちの子』と思えるような作品を作れるようになったんです。 (※この方法については、また別の記事で詳しくご紹介します)
この方法の応用で旦那の母にはリクエストに応えて、四季の花をモチーフにした時計をプレゼントしてとても喜んでもらっています。(※この方法についもは、また別の記事で詳しくご紹介します)
こうして「誰かの大切な存在を、形にして贈る」というものづくりの楽しさに気づきました。 それは単なる雑貨づくりではなく、記憶や感情を形にする仕事なのだと感じています。
3.制作の工夫とこだわり制作
オーダーメイドの時計づくりでは、「その子らしさ」をどう表現するかが最大のテーマになります。 特に動物の場合、耳の形や目の位置、毛並みの流れなど、ほんの少しの違いで印象が大きく変わってしまうんです。
1.写真から“らしさ”を抽出する
第1弾を作ったときは、実際の写真をじっくり見ながら、 ・耳の角度(警戒しているときとリラックスしているときで全然違う) ・口元の表情(少し笑っているような口角の上がり方) ・首回りの毛のボリューム感 などを細かく観察し、2Dのラフスケッチに落とし込んでいきました。
ですが、3Dプリンタで表現できる線の太さは標準ノズルで0.4mm色合いもグラデーションを表現できないのでなかなか満足のいくクオリティーのものが出来ませんでした。

試行錯誤中の例。※写真は1枚ですが実際には10回以上やり直ししてます。
2.試行錯誤の末に見つけた“ある方法”行錯誤の末に見つけた“ある方法”
最初は手描きで形を整えていたのですが、どうしても写真をシンプルに表現するとチープな印象になってしまいました。 そこで、ある方法を使ってモデル化すること写真からシンプルながらその子らしさを引き出したモデルを作成する方法にたどり着きました。
この方法を使うことで、「その子らしさ」+「3Dプリンタによる表現」を両立できるようになったんです。 (※この方法については、別の記事で詳しくご紹介します)
3.デザインとしての“引き算”
リアルさを追求しすぎると、3Dプリンタで造形できない不具合や造形できても質感が損なわれてしまうこともあります。 だからこそ、「どこまで描くか」「どこを省略するか」のバランスには特にこだわっています。
たとえば、毛並みの細かい描写はあえて省略し、輪郭や色味で“その子らしさ”を表現する。 そうすることで、壁に掛けたときに遠目でもしっかり見える、シンプルで温かみのあるデザインに仕上がります。


4.贈ったときの反応
完成した時計を手にした瞬間、母はしばらく言葉が出ませんでした。 その表情は、ただの雑貨を受け取ったときのそれではなく、大切な記憶に触れた人の顔でした。
この休み中に母のご友人にも、今回紹介したコーギーの時計をプレゼントします。 写真をもとに作ったとはいえ、どこまで“その子らしさ”が伝わるか不安もありますが、きっと喜んでくれると思います。
作品を通して、誰かの大切な存在を形にできること。 それが、私がこの活動を続けている理由です。
5.今後について
これまで、身近な方への贈り物として始めた動物モチーフの時計づくり。 でも、作品を通して「思い出が形になる」瞬間に立ち会うたびに、 もっと多くの方に届けたいという気持ちが強くなってきました。
Creemaなどのハンドメイドマーケットを通じて、 オーダーメイドの時計や雑貨を少しずつ展開していく予定です。 また、3Dモデリングや家庭向けのデザインツールも取り入れながら、 「おうちで楽しめるものづくり」のアイデアも発信していきたいと思っています。
このブログ『CreatureCrafters』では、制作の裏側や、 デザインの工夫、使っているツールの紹介なども綴っていきます。 「うちの子を形にしたい」「自分でも作ってみたい」 そんな方のヒントになれたら嬉しいです。
▶︎ オーダーメイドのご依頼は Creemaの販売ページ からどうぞ
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