🐾 はじめに
前回の投稿では、3Dプリントを始めるときのコツについてご紹介しました。 今回はその続きとして、作品の“見た目”をぐっと美しくするための表面仕上げテクニックについてお話しします。
「うちの子時計」を作るとき、ただ形にするだけじゃなくて、見た瞬間に“わっ、きれい!”と思ってもらえるような仕上がりを目指しています。 そのために私がこだわっているのが、PEIビルドプレートというパーツと、ちょっとした設定の工夫です。
🟤 PEIビルドプレートってなに?
PEI(ポリエーテルイミド)ビルドプレートとは、3Dプリンタの土台(造形する面)に使う特殊なシートのことです。 3Dプリンタを使ったことのある人ならご存じかと思いますが、このシートには細かい凹凸があって、素材がしっかり食いつくように設計されています。 その結果、造形中に反りにくく、底面(最初に接する面)がとてもきれいに仕上がるんです。
📌 ちなみに、PEIには「スムースタイプ(ツルツル)」と「テクスチャタイプ(ざらざら)」があり、仕上がりの質感が変わります。

✨ 表面を美しく仕上げるための3つのポイント
造形速度をゆっくりに
私が使っている Creality Sermoon D1 では、一層目(最初の層)の速度を5~15mm/s に設定しています。 速度を落とすことで、素材がしっかり溶け込んで、隙間なく定着します。 結果として、ビルドプレートの模様がきれいに転写されて、つるんとした平面に仕上がるんです。
💡「一層目」とは、3Dプリントの最初の土台部分。ここがしっかりしていると、全体の仕上がりが安定します。
一層目の温度を高めに設定
常、PLAという素材を使う場合は60℃くらいが一般的ですが、私は70℃に設定しています。 これも、素材をしっかり溶かして隙間をなくすための工夫です。 温度が高いと、素材がプレートにしっかり密着して、反りやムラが出にくくなります。
モデルを“裏返して”セットする
これはちょっとしたコツですが、スライサー(印刷前にモデルを準備するソフト)で、きれいに仕上げたい面を下向きにセットします。 PEIビルドプレートに接する面が一番きれいに仕上がるので、見せたい面を下にするのがポイントです。
💡「スライサー」とは、3Dモデルをプリンタで印刷できるように変換するソフトのこと。ここで向きや設定を調整します。
この“向きの工夫”は、モデルを作る段階でもちょっとしたコツがあります。※これを怠るとやり直しが発生します。 そのあたりは、また別の投稿で詳しくご紹介しますね。
🧵 私が使っているPLAフィラメントについて
表面仕上げの美しさは、使う素材(フィラメント)によっても変わってきます。 私自身、いろいろなメーカーのPLAを試してきましたが、最近は【eSUN PLA Plus】を使っています。
もともとは【SUNLU PLA Plus】を愛用していたんですが、最近は入手しづらくなってしまって…。 いろいろ試した中で、PEIビルドプレートとの相性がよく、底面がつるんと仕上がるのがこのeSUNのPLA Plusでした。
📌 フィラメントとは、3Dプリンタで使う“糸状の素材”のこと。 PLA(ポリ乳酸)は、初心者にも扱いやすく、家庭用プリンタでよく使われる定番素材です。
色はホワイトを使うことが多いですが、雑貨をつくるとなるといろいろカラーバリエーションが欲しくなりますが、こちらはそろえるとキリがないので白+黒+グレーで他の色はアクリル絵の具で表現しています。こちらもまたやり方を別の会に紹介させてもらいますね。
📝 おわりに
3Dプリントは、ちょっとした設定の違いで仕上がりの印象が大きく変わるもの。 でも、難しいことをしなくても、“最初の一層”を丁寧に仕上げるだけで、作品の美しさはぐっと上がります。
私自身、最初は「ただ形になればいい」と思っていたけれど、 今では「見た瞬間に心が動くものを作りたい」と思うようになりました。
“うちの子”の表情が時計になって、誰かの心に残る。 そんな瞬間を、もっとたくさん届けていきたいです。
次回は、「写真から3Dモデルにするまでの流れ」を、実際の画面を見ながらご紹介します。 「うちの子を形にしたい」と思っている方のヒントになれば嬉しいです。
📩 もし「こんな作品が見たい」「うちの子でも作ってほしい」などあれば、ぜひコメントやお問い合わせから教えてくださいね。 あなたの大切な思い出が、世界にひとつだけの形になるかもしれません。
▶︎ オーダーメイドのご依頼は Creemaの販売ページ からどうぞ
▶︎ ご相談・お問い合わせは こちらのフォーム からお気軽に
コメント